■シモハナ物流様と蔵スター
シモハナ物流株式会社様は、「食品物流、日本No.1へ」を掲げ、食品物流に特化してメーカー・外食チェーン・商社・小売など幅広い業態の顧客に最適な物流を提供する3PL企業である。
また、2006年に外食物流に本格参入して以来、25期連続で過去最高売上を更新し、現在では売上451億円、拠点数50を誇る大手企業へと急成長を遂げた企業でもある。※2019年3月期売上
2004年に岡山物流様※への検品システム導入以降、弊社のシステムを各荷主業務へ採用いただいた。2006年の高槻第一営業所様へのWMS「蔵スター」導入以降も、シモハナ物流様の中京地区進出、九州エリアのコア営業所開設、関西エリアの拡大をシステムの面からサポートさせていただいてきた。現在では大型汎用センターを中心とした23拠点の業務が、「蔵スター」を使用して行われている。
各拠点で同一の物流システムを使うことにより、拠点や業務ごとの作業効率が図りやすくなり、業務の効率化・作業品質向上・ノウハウの属人化防止を推進する土台となっている。
■蔵スターが提供していること
製造年月日管理や不定貫商品の取り扱い、賞味期限逆転防止機能などが含まれる食品業向けテンプレートに加え、受注業務の変化や導入機器の追加に対応し、さまざまな機能の開発で業務の支援を行ってきた。
また、そもそもミスが起こらない仕組みの構築や、より手間がかからずよりストレスなく業務を進行できるような機能を提案し随時実装してきた。
<多種多様なマテハン機器との連携>
自動倉庫、ピースソーター、マルチシャトル、デジタルアソートシステム、ラベルプリンタ、ハンディーターミナル、タブレット、ピッキングカートなどとのシステムデータ連携により、作業生産性の向上を実現している。
蔵スターはデータ連携できるマテハン機器の幅が多種多様にわたるため、倉庫の特性や荷主の特色に合わせたマテハン導入に対応が可能。
※最新マテハン機器が多数導入された高槻第二営業所様の事例(https://www.womnet.com/case/cat-01/769/)
<作業単位・作業者単位での作業実績を見える化>
現状の作業実績データを分析することで課題が明確になり、改善により作業時間が短縮された。
<タブレット端末の活用によるペーパーレス化>
入荷検品リストをタブレット端末上に表示させることでペーパーレス化を実現した。
また、不定貫重量の入力もタブレット端末から行えるため、現場でリストに手書きした重量を事務員の方がシステムに手入力する手間が省かれるとともに、重量の入力ミスも減少した。
<ハンディーターミナルのOCR機能活用>
手入力による賞味期限や不定貫重量の入力ミスを防ぎ、より精度の高い作業を実現した。
■全拠点共通の汎用性と、拠点ごとの要望への対応を両立
「蔵スター」はDC(在庫型物流センター)とTC(通過型物流センター)の両業務を1つのシステムで管理している。かつ、複数荷主の物流業務を1つのシステムで管理している。
倉庫設備や取り扱う業務は拠点によって異なるが、どの拠点でもシステムの構造は共通である。そのため、転勤・転属の際にもシステム教育へ時間を割くことなく、スムーズに業務に取り掛かることが可能となっている。
また、機能をモジュール化し改修や機能追加の効率を高めているため、新機能の横展開も効率的に実現でき、全拠点の物流作業品質の向上につながっている。
■システムの安定稼働
WMSの開発・導入を行ってきた30年のうちに経験した、トラブルリカバリに関する様々な知見がシステムに生かされ、障害が起こりづらく万一の場合にもリカバリしやすい構成になっている。
加えて、シモハナ物流様にて行われている社内研修も業務の稼働をさらに安定的なものとしている。他拠点で稼働中の荷主業務を別の拠点で新規受注する際には、稼働中の拠点へ研修に赴き、運用の工夫や蔵スター上の詳細な設定内容などについて事前に共有を受け、本稼働時にはスムーズな立ち上がりができるようにしている。
また、蔵スターにおいても、他拠点で実装し安定して動作している該当荷主向けの機能を新規受注した拠点の蔵スターに装備させることで、業務の安定した立ち上げに貢献している。
■その他の導入システム
・静脈認証による勤怠管理システム(22拠点※2020年4月1日時点)
機器に手のひらをかざすことで、読み取られた静脈パターンが、予め登録しておいた個人の静脈パターンと照合され、本人確認と同時に出退勤時間の登録ができるようになっている。これにより、セキュリティ性と利便性の高い勤怠管理が実現している。
・仕入先メーカーとのWEB EDIシステム
入荷予定データについては各仕入メーカーが荷主様ごとのページから登録し、各種実績データについては蔵スターから自動連携する仕組みとしている。これにより、荷主様とシモハナ物流様の間で、在庫情報や入出荷実績情報を共有できる体制が構築されている。
■今後の展開
日本全国への事業拡大に伴う物流拠点の不足や、小ロット配送による配送コストの課題、多種多様な商品を抱えることによる品質管理の課題など、シモハナ物流様が応えるお客様のニーズは多様化・高度化している。
そのニーズに応える業務を行う現場においては、ほんの少しの手間削減が全体として大きな効率化につながること、ほんの少しの作業停滞が全体の作業効率を下げてしまうことを肝に銘じ、システムの安定稼働はもちろんのこと、現場の作業効率化に向けてこれからも尽力いたします。
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